風になったあの子
ねこが1匹家から姿を消してしまっただけなのに、家の中がしんとしてしまった。
それなのに何かの拍子であの子の名前を呼んでしまう。
だれかの脱ぎ捨てたトレーナーが寝ているあの子の姿に見えてしまう。
本当に意味がわからないってこうゆうことなんだと思った。あたりどころのない悲しみ。気持ちのやりどころがなくて、こんなに泣いたことないってくらい泣いた。泣きすぎて毎日頭が痛くなった。
今はただただ寂しい。寂しくて寂しくて堪らない。
最初は寂しいって怖くて言えなかった。あの子の姿がなくなってしまったことを認めるのが怖かったから。家族であの子の話をたくさんしていくうちにやっと言えるようになった。
本当に本当に可愛かった。愛おしさの塊だった。
逢いたい。
白い煙になってしまったけど逢いたくて溜まらないよ。
愛おしいあの子。