アラフィフ女子のゆるやかな日々

ゆるやかにいろいろなボーダーを越えていきたいアラフィフ主婦のblog

このままずっとこんな週末が永遠に続くと思っていた

19歳の時に車の免許を取った。しばらくは家族の車を借りていたけど、祖父が亡くなりどれだけの遺産が入ったのかは知らないが父が私に車を買ってくれた。日産のルキノハッチ。車にはカセットデッキとCDプレーヤーが付いていた。

その頃はまだカセットテープが主流で、みんなお気に入りの曲をCDからダビングしたオリジナルのカセットを作っていた。可愛いカセットテープに好きな曲を入れて友だちと交換したりして。

 

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その頃のわたしは週末必ずと言っていいほど幼なじみの友だち2人と遊んでいた。そのうちの1人は早くに結婚していたが旦那さんが土日お仕事で留守だったので、もう1人の友だちと土曜日の午後には必ずその子の家に遊びに行き、夜にはご飯を食べさせてもらい深夜に帰って日曜日の午後にはまたその子の家にいた。

家にいることが退屈になるとドライブに出かけた。

3人とも車は持っていたけど出かける時は大抵わたしが車を出した。わたしの車のダッシュボードの中にはそれぞれが作ったお気に入りのカセットが入っていた。助手席に座った子がカセットテープを選んで曲を流した。岡村ちゃんだったりEL-MALOだったりサニーデイサービスだったり。渋滞の246でも音楽とガムとタバコがあれば全然平気だった。目的なんてほぼほぼなかった。ただ大好きな音楽を聴きながら男の子の話や下らない話をしながらドライブした。お腹がすいたらI HOPに行ってベルジャンワッフルを食べて、お腹が満たされるとまたドライブして。車の中でみんなが大好きだったTHE COLLECTORSの世界を止めてを大声で歌った。本当に全然飽きなかった。本気でこんな週末が永遠に続くと思っていた。

ほどなくしてわたしにボーイフレンドができた。週末は友だちと出かけるより彼とドライブに行くことが多くなった。とはいえ彼は車を持っていなかったのでわたしが車を出して彼が運転した。ダッシュボードの中には友だちのカセットテープに混じり彼が持ってきたoasisレッチリのCDが増えていった。

それでもたまに友だちの家に行くともう1人の友だちも居て「あんたもやっぱり友情より男をとったよねー」なんて悪口を言いながらも「このバンド、めっちゃいいから聴いてみて」と相変わらずダビングしたテープをくれた。わたしは車の中で友だちがくれたテープを聴きながらなんとなく申し訳ない気持ちになったりした。

 

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それからわたしは結婚して地元を離れ、友だちは旦那さんの実家に二世帯住宅を建て引越しした。もう1人の友だちも石垣島へ行ってしまった。15年近く乗ったルキノともさよならしてカセットテープは車で聴けなくなった。


世界を止めて / THE COLLECTORS

今でも会えば必ずあの頃の話になる。あの馬鹿みたいに楽しかったわたし達の時間。

カセットテープではないけれど車の中でこの曲を聴くたびに週末は永遠ではなかったけれど、友情は永遠だと思うことができるのだ。

世界を止めて

世界を止めて

  • provided courtesy of iTunes

 

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by ホンダアクセス