アラフィフ女子のゆるやかな日々

ゆるやかにいろいろなボーダーを越えていきたいアラフィフ主婦のblog

美しい星とエイリアンズ

この手の純文学はなかなか手を出さずにいたのですが、ずっと気になっていた三島由紀夫の『美しい星』をやっと読みました。三島由紀夫を読むのは10代の頃読んだ『禁色』以来です。

ざっくり説明すると、自分たちはそれぞれ違う星から地球を核戦争から守るためにやってきた宇宙人だと気づいてしまった家族のお話。本の解説には『宇宙人であるという意識に目覚めた一家』と書いてあります。

わたしは若干この『宇宙人であるという意識に目覚めた一家』、特に主人公の重一郎をどこかで鼻持ちならないという気持ち(多分、多くの人が意識高い系の人に対して抱いてしまうあの独特な気持ち)からシニカルな視点で読み進めていたのですが、最後に大どんでん返しを喰らいました。これが三島由紀夫の意図だったのか、それとも所詮わたしが村田屋のおかみと同レベルのつまらない地球人なのか、、、夢も希望も持てない代わりに救われることもない凡人過ぎなわたし(苦笑)。

火星人や人や円盤という言葉が文中には出でくるので、たしかにSF小説ではあるのですが、良い意味でも悪い意味でも人間味が溢れるストーリーでした。

映画は現代風にアレンジされているようだけど予告編が良かったので観てみようと思います。

そんな訳で最近よく聞いているのがキリンジの『エイリアンズ』。言わずとも知れた名曲中の名曲ですが、歌詞の街の描写と重一郎の愛する美しい星や重一郎の自分は他の人とは違うという思いから生まれる疎外感や寂しい気持ちとなんともしっくりくるのです。もしかして宇宙人も地球人も孤独感や寂しさは共通するものなのかもしれない、、なんて事をこの曲を聴いて思ったのでした。


キリンジ - エイリアンズ